9/6のねこさん       文は田島薫

ぐったりねこさんず

先週の炎天下(ここんとこずっとこれだ)の午後、都内から帰って来て駅からの途中、ねこさ

んをよく見かけるアパート前の家の駐車スペースの車の下にねこさんがいた。

茶とらと、白地に茶のふたりが寝そべってこっちを見てる。私もじっとながめてたけど、動き

は全くないもんで、飽きて立ち去ろうとしたら、車からちょっとわきの日陰の自転車の下に、

また別の白地に茶が寝そべってこっちを見てた。こっちも動きがないんで、ながめた私は間も

なくに立ち去った。


や〜、あち〜ね〜、トメキチもあち〜か〜?あたりめ〜だろ〜よサダキチアニ〜、きょうはみ

んなあち〜んだよ、毛皮着たぼくらがあちくないわけがないって。なんだか、ぐた〜ってなっ

ちゃって、なにも仕事する気になんないね〜、なに言ってやがんだ、トメキチ、おめ〜仕事な

んつーもんをしたことがあんのかよ〜、ないんだけど、ちょっと言ってみたかったんだよ〜。

ま、そんなこんなで話に花が咲いてるところに、咲いてない咲いてない、って、人間が来てこ

っち見てるね〜。なんだか笑ってるね〜、なにが楽しいんだかね〜、手にエサも持ってないよ

〜だし、ポーカーフェイスにしとけよ、トメキチ、人間甘やかせるとクセんなっていけない。

さすがに飽きたよ〜だね、カメキチの方行ったぞ、お、こっちがなんにも言ってないのに、カ

メキチのやつ、ちゃ〜んと、ポーカーフェイスしてるぞ、ちがうんだよ、サダキチアニ〜、あ

いつが朝寝坊してるあいだに、ぼくとアニ〜でエサ全部食っちゃったから、カメキチのやつ、

ハラペコなの。


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