10/12のしゅちょう             文は田島薫

(雇用構造の危機について)

民主党が政権とって、公務員改革もどんどん進むかと思ってたら、表向き、天下り禁

止を決めたものの、現実的には、内部での先輩による後輩の紹介という形で天下りが

続いてるようだし、事業仕分けのパフォーマンスのわりに、強制力不足や詰めの甘さ

などで、実効がなかなか目に見えて来ないようだし、公務員人件費2割削減、って謳

ってても、人員数削減とセットのようだから、大企業より高い公務員給与の削減には、

入れる力が弱そうな上に、それさえも足踏み状態だし。

人の収入のことをあれこれ言うのは品がないので心苦しいんだけど、日本の財政難の

中で、どんどん負債が蓄積し、将来今の若者の年金が払えなくなったりするかも、っ

てぐらいの状況の中で、その給与は税金から払われているんだ、ってことなわけだか

ら、悠長なこと言ってる場合じゃなく、日本の雇用構造のアンバランスを考えた時、

公務員給与の高さ是正は必須条項なのだ。

人事院は民間企業の給与を元に公務員給与を割り出してる、って言うんだけど、どう

いうマジックなのかすでにそのレベルを超えて、今や大手企業の組合の待遇要求のレ

ベルを保証するものにさえなってるのだ。そして大企業が不景気の中でそれを確保す

るために無理が生じ、正社員を減らし、給与の低い非正規雇用を増やしたり、下請け

へのこれまた無理なコストダウン要求やら、もっと安い下請け探しに海外へ求めたり

で、大手以外の中小零細の労働者の給与はどんどん下がったり、倒産や失業が増えた

りで、国内の雇用環境は悪くなるばかりなのだ。

だいたい、公務員の定数削減で経費も削減ってのは小手先インチキ政策なのだ。

だって、人員の足りない分を補う臨時職員は正規職員の半額以下の給与の上、契約期

間が限られているといった不安定雇用なのだし、それでもそれが増えることを黙認す

るのだとしたら、政治の不公正さは尋常ではないだろう。しかも、失業が増え、その

不安定な雇用さえ奪い合いだ、って状況なら政治はもっと真剣にやれ、ってことだ。

それに、公務員給与の他、様々な手当て足すと2000万にもなるという議員報酬もさっ

さと削減しろ、って。名古屋市議会の議員たち、自分の給与削減に大反対、これが日

本の一般政治家の縮図。今、雇用構造改革の本質を見定めた一番志の高い政治家は、

名古屋市長の河村たかしさんだけなのだろうか。




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