サニーイズム             文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だより。
今回のサニーは思い出の店の不変さに感激してます。



「 究 極 の B 級 カ レ ー 」

週末、銀座で開催の仲間グループ展に出かけたついでに、ふと思いついた

のが数寄屋橋の交差点。この時間ならもう大丈夫か、開店してるか?

それよりもこのご時世にまだ営業してるんだろうかと思いつつ、週末の

銀座並木通りの一丁目まで歩く。

久々のその店は名前も昭和な“ニューキャッスル”きちんとそのままの

姿で営業しとりました。

戦後すぐの開店だそうだから、先代から引継ぎつつもすでに65年経過し

てるんだそうだ。その半分近く前、近所の画材屋さんでアルバイトをして

いた自分がこよなく通った店がこの店だったわけで、当時からとにかく

安くて気取らずの家族の雰囲気が好きだった。

詳しく尋ねたことはないけど不思議な深みのカレーがたまらなくて、ただ

ただいつもスプーンで皿をなぜまわした。

少々粉ぽいコーヒーを飲んだその後、角を曲がってすぐの並木座という

小さな映画館に入り、今となっては貴重な名画をたくさん観ていて

思えばその映画館の最中も、その帰り路もそのカレーの味覚がどこかに

存在していたんじゃないだろうかと思う。

カレーの黒沢さんやカレーの小津さん。そして今日になっても同じ味の

カレーにふんばりのないコーヒーを注文してみた。

量の具合で少なめを“品川”ちょい多いのを“大井”もっと多いのは

“蒲田”とかで注文する。川崎ってのもあるらしいけど、胃薬うんぬん

が必要だとかで洒落の範ちゅうらしい。

とにかく、銀座が銀座であってキャバレーも全盛であったろう頃から

同じ味を提供してきてくれていることが嬉しいし有難いよね。

銀座の一等地で400円でカレーを守り続けるってのは、こりゃ

これでRockでしょよ。 お試しあれ。



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