思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせいのシャレは見事に敵陣にゴ〜ル。
Own goal
サッカーワールドカップ日本代表の強化試合、対イングランド戦は2対1で負けた。
しかも、その2失点は日本のオウンゴールだった。
試合後のサッカー評論家による座談会でのこと。
いつもどおり日本チームのささやかな良いところと先へのせんない希望を語る評論家氏の
なかでただ一人、オウンゴールは悪くない、それをやらせるような試合運びがよくないの
だと冷静な意見を述べる人がいた。
スポーツから政治に目をむけると、鳩山連立政権は首相自らのオウンゴールで崩壊してし
まった。自分たちが持つ能力の誤信とチームワークの悪さが招いた完璧な負け試合だった。
そもそも現政権は、宗家がだめだからとりあえず分家にやらせてみようと、一族郎党の軽
い意見で生まれたのに、分家が勘違いをして浮かれてしまい、宗家になったつもりで間抜
けなことをやるから失敗する。
サッカーの監督が、ベスト4入りを宣言してもこれは目標であり理想でもある。達成でき
なくてもだれも迷惑をうけない。しかし、一国の首相が実現不能の理想を約束し、しかも
それにむかう手だてをまるで講じないで国民を惑わせることは許されない。
理想を掲げるのも政治家の仕事だが、現実を治めるのも政治家の仕事であることを忘れて
はならない。
今回の失政を、たかがオウンゴールと侮らないで宗家の責任の重さを思い知らされたのだ
から、サッカー選手の常套句「次の課題がみえた」にならって、もういちど分家にもどり
頭を冷やして出直すがよい。