5/3の日記          文は田島薫

ゴールデンウィークの過ごし方

ふつうなら私の場合たいていなんの予定もないもんで、29日から5月9日まで連続休み、

ってことでいいはずなのに、29日は高円寺で行われるグループ展の搬入とオープニングパ

ーティがあり翌30日には去年暮れからやってる仕事の最終原稿が来てこなさなけりゃなら

ず、それも、5月6日午前中提出、ってことだし、グループ展の搬出の方も5月5日、って

ことで、5月3日にこのホームページ更新すれば、もうほとんど連休感はない。

でも、グループ展オープニングやパーティを楽しめばいい、ってことも言えるんだけど、ひ

きこもりぐせがついた家人に、搬入もパーティも早く切り上げて帰って来い、って要求され

るもんでゆっくり楽しんでるわけにもいかない。


で、ふだんの日曜とほとんど変わらない気分のきのう、少しのんびりと読書した。

図書館で借りて来た村上龍と村上春樹の30年前のデビュー当時に出た対談本。多分この本

は当時も私は読んでるはずなんだけど、また新鮮に読めた。当時、彼らの小説を読んだ時の

印象も思い出し、彼ら自身のスタート間もない創作についての自己分析の確かさに感心した

し、作家で食って行くことへの不安や、春樹が書くことは自己変革のためだ、って言ったり、

にも、なるほど、って思ったし、ふたりして、当時すでにジャズ音楽状況の低迷さの指摘や、

マイルス・デビスの音楽への取り組み方へのふたり一致した賞賛意見に私も同感だった。


そろそろ3時ってころ、退屈そうな家人に映画見っか?、って聞くと、うん、って言うんで、

先日テレビ録画しておいた「おくりびと」をふたりで見た。

納棺師の仕事の心使いと美しい作法の紹介が一気にこの仕事の一般認識を変革させたかもし

れないと思った。この不況の中、月収50万だったら就職希望者殺到してるかも、って。

真摯にかつ笑いも盛り込んでよくできた作品なんだけど、しかし、こういった地味なテーマ

のものにアカデミー賞を与える米国人も、派手と見栄の裏側で、人の生き死にについての共

感は日本人と変わらない、ってことのようだ。




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