●連載
虚言・実言         文は一葉もどき


横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
今回のもどきさんも、沖縄土産話の続きです。帰りぎわもメニュー盛り沢山。



シリーズ あんな話こんな話

国際大通りにて

沖縄を離れる日、せっかく那覇へ出るのだから国際大通りへ立ち寄りモノレール(愛称

ゆいレール)にも乗ってみたい。レンタカーを返したので、名護から高速バスに乗り、

2時間弱かかって那覇バスターミナルへ。

なにしろ横浜の気温8度の所からやってきたので当然コートを着ていた。すべての荷物

を詰めたキャリーバッグはパンパンで邪魔なコートは手に持つか着るしかない。私は手

に持ったが夫は雪ダルマのように着こんでいた。

国際大通りへ着く頃は陽も高くなり、気温はぐんぐんあがり25度。ガラガラとキャリ

ーをひっぱりながら汗だくで人ごみを歩いた。

買い物に興味のない夫はだんだん機嫌が悪くなり、「このクソ暑いのに…おれは、ここ

で待ってるぞ」といって、酒屋の店先の椅子に座りこんでテコでも動かない構え。

(ん、もう、ここからメインの市場本通りなのにぃ…)

そこで私は「じゃあ、30分で帰ってくるから、オリオンビールでも飲んで待っててね」

と夫をその場に置いて一人で強行することにした。

ほっつき歩くこときっかり30分。

楽しみました!買いました!

市場通りは狭い屋根付きアーケード街でちんすこうなどのある菓子屋、特産琉球ガラス

の店、泡盛専門店、Tシャツ屋、アクセサリー店、乾物屋、魚屋、そして沖縄風さつま

揚げ、ドーナツ、天ぷら、ソーキソバ、タコライス、etc・・・

ケバイおばちゃんやら普通のおばちゃんやら色黒のおじさんやらイケメンのおにいちゃ

んやらの呼び込みの声が飛び交って、ごちゃごちゃとまるごと沖縄土産を詰め込んだお

もちゃ箱のよう。とても安いし、つまみ食いもできたし、おやつから晩ごはんのおかず

まで買いこみ、大満足。時間が足りなかったのが残念。

フライト時間が迫っていてあわてて美栄橋駅へタクシーを飛ばした。ゆいレールは那覇

空港と首里を結び、ビルの5階ほどの高さを走るので、上から目線で那覇市内を見るこ

とができる。そのため同じ移動ならバスに乗るより絶対お得感がある。

そんなこんなで最後はオバサン感覚全開の締めとなった。



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