7/20のねこさん       文は田島薫

ぺろぺろねこさん

先週末、炎天下の午後、自転車で食料の買い出しに出かけた途中のねこよこちょうの家の

へいの上で、しろっぽいねこさんが自分の毛をなめていた。

大部分の白地に茶のはんてんがいくつかあるねこさんなんだけど、泥水に入った後乾いた

んだろう、腹から下、4本の足にかけてうすい赤茶に染まっていて、毛並みも荒れてると

こをせっせとなめてて、すぐ鼻先まで行ってながめてる私にちっとも気づかない。


ありゃりゃ、なんてこったい、こ〜寝そべってみると、いつのまにか、ぼくのまっ白だっ

た毛が変な色に変わっちゃってるね〜、これからぼくはこの色で生きて行かなくちゃなら

ないのかな〜。それならそれと覚悟きめて、なんとか、この色を好きんなった方がいいね、

ん〜ん、モダンだね〜、イカス、かっくい〜、このピンクがかったパステルトーンが心を

くすぐるね〜、こんな色のねこさん見たこたない、よっ、だいとーりょー、つってるうち

になんだか気おちしてきちゃったな〜。まてよ、気おち、なんかしてる場合じゃないね〜、

色おち、させればいいんだ。ぺろぺろぺろ、と、なめてみると、なんだかそこの部分少し

色おちした気がすんぞ、おし、ぺろぺろぺろのぺろ。お、この分なら、こ〜やって1週間

もなめてりゃ、白くなるかも、おいおい1週間かい、大仕事だね〜、でも、だいじょうぶ、

元のかっくよさをとりもどせる、ってわかったら、も〜わき目もふらずになめるだけだ、

ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺ〜ろぺろ


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