思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい流ワールドカップの楽しみ方。
異文化はおもしろい
サッカーワールドカップ開幕以来、テレビで生中継される試合はすべて見ている。
と言いたいが、さすがに夜中の3時放映のものは見ていない。毎日2試合、われながらご苦労
なことである。
ご都合サポーターの老妻は、「有名チームでもないのにどこが面白いの」というが、とんでも
ない。第一に技の差。なんのかんのと言ってもヨーロッパと南米のチームは上手い。日本との
勝敗に関係がなくても良質のものを見るということは楽しい。これは、書画骨董をはじめ、あ
らゆることに言えることだが優れたものは無条件にすばらしい。
もっと面白いのは、国民性の違いをみることだ。
これはまるで外国へ行ったみたいで実に楽しい。同じ技を使っていても国によって日本とはま
るで違う。ある解説者が、「ボールに向かう気持ちが違う。彼らは狩猟民族だからボールが獲
物なのでしょう」と言っていたが、確かに彼らのダッシュを見ていると、動かなければと思う
前に体が動いているように見える。それにひきかえ日本の選手は次の動作に移る前に一呼吸お
いている。やはりおっとりとした農耕民族と狩猟民族の違いなのだろう。また、完全なファウ
ルをした場合、日本の選手は自制をして動きを緩めるが欧米の選手はレフリーの指摘がないか
ぎり試合を続ける。彼らは自分が行ったことよりルールを優先する。これは、国境を接する国
民の性といえる。
岡田ジャパンは、いくら技が向上したといわれてもこれらの国民性を習得しないかぎり上位へ
進むことは難しい。いつまでも和魂洋才ならぬ和魂洋技をやっていたのでは先が知れている。
―とかなんとかオダをあげながらビール片手に目をしょぼつかせ、毎日4時間テレビにしがみ
ついて異文化を知るということは、3泊4日の海外旅行をしているくらいに楽しいものです。