6/7のねこさん       文は田島薫

いれてくでーねこさん

土曜の昼過ぎ、自転車で食料の買い出しに行く途中、ねこよこちょうのつきあたりの家に

ねこさんがいた。ここのねこさん、以前にも何度か家ん中入りたくてドアが開くのをちら

ちら横目でうかがったりしてるのを見たんだけど、今回は始めはドアに背向けて座ってた

ものの、ながめてると、すぐにドアの方へ行き、すきまからのぞくようなしぐさや、背伸

びしてドアに両前足でタッチしたりで、アグレッシブだった。

前に別な家で同じような状況があった時はへいの外の道路に面したところにインターフォ

ンがあったんで、それで、飼い主に知らせたことがあったんだけど、この家はへいの中の

今まさにねこさんが奮闘してるドアのよこにそれがあったもんで、ただながめてたら、ド

アのよこにあるガラス戸の閉ってたカーテンのはじが少し開き、おっさんが顔を出したん

で、指でドアの方を指して合図した。

間もなくドアが開き、ねこさん、スルッとおっさんのわきを抜けて中へ入った。入りたが

ってたもんで、って私が笑いながら言うと、すいません、っておっさんも少し笑ってドア

が閉った。


外が気持ちよさそうに思えたんで外出してもらったんだけど、や〜、毛皮着てる身として

はきょうは暑いね〜、それにこのあたりまわりじゅうコンクリで特に行きたい場所もない

し、もっとも、ぼくは人見知りであんまり外出歩くの好きじゃないっつーこともあるんだ

けど、そーこー言ってるうちにだれかがこっち見てるよ〜、やだね〜、おちつかないね〜、

早く涼しい家ん中入りたいね〜、どーやったら、このドア開くんだったけ、中入りたいぞ

ー、って念力よし、こーやって、ドアにとびついて、ドアさんドアさん開けてくでー、っ

て念力よし、ね、ほら、開いた。



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