●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃんは、やまがたの食べ物がだーい好きなんだす。



やっと納豆汁

お正月が明けて7日の七草の日には、納豆汁を食べる山形。

しかし、用事があって夕飯時に帰宅した私を待っていたのは、ケチャップ炒めスパゲティ

と蕪の味噌汁とハンバーグだった。

少しガッカリした。


母が「7日は納豆汁にしようかね。」と言っていたので、てっきり作っていてくれるもの

だと思っていたのだけれど。

「アンタ、帰ってくるの遅かったからさぁ。」と言って、わざわざメニュー変更をしてく

れたようだった。そして帰宅が遅かったので、飲んで来ると思っていたらしく、私の分の

ケチャップ炒めスパゲティは無かった。更にガッカリした。でも私は、その用事の時に、

とても美味しいチョコレートナッツケーキをいただいていていたので、そこまでガッカリ

はしなくて済んだ。

そしてその日は、ほんのひとくちだけ残してくれたケチャップ炒めスパゲティを食べた。


それから数日後。


「じゃ、今日こそ納豆汁ね。」と母が言った。その日は母が夕飯を作ってくれた。


「ハイ、アンタ納豆つぶして。」と小さなすり鉢に納豆を入れて、すりこ木と共に渡され

た。納豆つぶしのお仕事は、うちではずーっと祖父の仕事だったんだけど、もう祖父はい

ないので、担当替えをしなくてはならないのね。。。祖父は丁寧に納豆をつぶしてくれて

いたけれど、私は適当につぶした。


このたびの納豆汁は、塩抜き蕨や、きのこも入っていた。塩漬けの蕨は、夫のボウリング

仲間がおすそ分けしてくれたもので、きのこは、舅の実家からたくさんいただいてきたも

のだ。(きのこの名前聞いたけど、忘れた)

こういう山の幸をふんだんに入れると大変美味しいのが、納豆汁である。


そしておかずは大好きな「くきな煮」。


青菜(せいさい)という菜っ葉漬けを打ち豆(つぶした青豆)と共に煮たもので、これは

ご飯のおかずにもなるし、お茶請けにもなるし、お酒のおつまみにもぴったりなのである。

ご飯とくきな煮と納豆汁。

この素晴らしい組み合わせでご飯をいただけることの何と素晴らしいことか!

その日は玄米ご飯にしたので、なおさらいい気分でご飯をいただけた。



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