●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

フレンドリーたえちゃんは、私設国際親善大使でもあるんだす。



ホームスティ2010年

こないだ、うちに中国の留学生である李さんを迎えた。

李さんは34歳で、山形に住んでいる。私たち夫婦と歳が近いため、お友達を迎えるよう

に気軽に迎えることができ、一緒に蔵王の樹氷を見に行った。地元の私たちでも、もの

すごく寒くて、私にシャッターを頼んだ観光客は「初めて来ましたけど、想像以上の寒

さですねー!」と悲鳴を上げていた(笑)李さんも「写真では見た事がありますが、想像が

できませんでした。こんなにすごいものだったとは!」と言っていた。吹雪で見られな

い日もあるんだけど、私たちが行った日は、晴れててラッキーだった。

温泉街に戻ってから、一緒に露天風呂に入った。「中国にいるとき、ドラマで露天風呂

というものを知りましたが、寒くないのかな、って思ってました。ぜんぜん寒くないで

す〜」と言って楽しんでくれたようだった。

李さんは日本語が上手なので、今回はオール日本語でイケた(笑)その中で、いろいろと

話を聞いた。日本語の難しさをはじめ、中国での生活、ご家庭のこと、中国の教育、日

本との違い、また、日本の会社に研究者として勤めているご主人と、5歳のお嬢さんと

一緒に山形に住んでいるが、学業と家庭の両立のため、1歳の息子さんを中国の実家に

預けている、など。

李さんの親切な申し出により、うちでは餃子と炒飯を作ってもらった。丁寧に下ごしら

えをして、魔法のような手で餃子の皮を作り、具を包んでいた。私と主人、そして招い

た友達のマルちゃんも挑戦したが、李さんの様に上手に出来なかった。炒飯も、塩とし

ょうゆだけなのに(胡椒は使わなくていいらしい)とても香ばしく、たくさん作ってもら

ったけど、炒飯好きの主人がペロリと平らげた。李さんの亡くなったお母さんや叔母さ

んは、料理が上手だったというし、いとこが2人も料理人なのだそうだ。

いろいろな話をしたが、日本はそこまでの貧富の差が無く、かなり裕福で恵まれた国で

あるという印象がさらに強くなった。裏を返せば、日本は努力すること、進歩すること

を忘れつつあるのではないか、ということ。これは一昨年、中国と韓国の学生さんをお

迎えした時にも抱いた考えである。

また、ご身内が政治問題で自決なさったとか、お祖母さんが「纏足(てんそく)」されて

いた、とか。このような激しい時代の波の一片たりとも、私はそこまで身に染みて感じ

たことは無い。私たちは「う〜ん」と唸りながら話を聞いていた。しかし逆に、李さん

はお祖母さんが纏足されている意味を知らず、小さい頃は「何かの病気なのかもしれな

い」と思っていたらしい。お祖母さんの小さな靴を、イタズラで履いていた無邪気な妹

さんの話も教えてくれて、みんなで笑った。



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