2/1のしゅちょう             文は田島薫

(品格について)

横綱朝青龍の行状が横綱の品格に欠ける、って大勢の人々が批判して、相撲を辞める

べきだなどとマスコミ上で連日大騒ぎしてるんだけど、その品格ってなんだろう。

今回は横綱が感情的になり一般人を殴った、ってことで、その殴られた当人が警察な

どに訴えて表面化したようだけど、その被害の怪我の程度などは全く問題にもされず、

ただその一方的証言だけを鵜のみにしてあれだけきっぱりみんなで批判して当然、っ

て形はどうも私には理解できない。

相撲取りの腕力のレベルは凶器と同じだと言うから、もし朝青龍が本気でそれを使っ

たなら、その被害者は死んでるか入院してるはずだから、それほどの怪我を負ったわ

けでもなさそうだし、感情の高まりでちょっと手が出てしまったレベルの話のように

見える。どの程度の力から、殴った、って裁定が下されるのかわからないけど、とに

かく感情的になって殴る、って形をやってしまったことが問題にされてるんだろう。

もし、それを批判されるんであれば、極論で、横綱ともなると感情を表に現してはな

らない、ってことなのだろうか。

いつも穏やかで、どんな理不尽な言葉や状況に置かれても、平然として、よく状況を

理解し、平和的かつすみやかに事を処理し、微笑みを持って相手を善導する、ってよ

うなことが求められてるとしたら、それはもはや聖人だろうし、相撲のようないわば

勝負事には矛盾するような気もするし、そんな人格を体現できる人間など実際いるん

だろうか、って疑問も残る。

とりあえず、彼を批判している親方や批評家などは、感情的になってるわけだから、

横綱に求められている品格には遠い、ということになりそうだが、横綱はそういう人

々より上の品格を求められている、というのであれば、自分たちより目上の境遇の人

物に対しての上から目線の叱りつけ、って目下として失敬じゃないのか。  

事情を詳しく調べないとわからないことだけども、とにかく、感情的になることが、

品格がない、ということになれば、感情を表に出さずに冷酷に他人を差別したり、侮

辱したりする方には品格があって、それに怒りを感じて涙流したりする方には品格が

ない、ってことになるんだろうか。                                                                               




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