●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃんは、ちょびっと姐さんになっただす。



指先の大怪我

夕食の支度をしていて、スライサーという、薄切りをする調理器具で指先を切ってしま

った。ほんのちょっとの気の緩みで、出血大サービスだった。自分の指先の破片を探し、

てフタをするような感じで(笑)、すぐに自分が考え得る限りの止血をしたが、すぐには

止まらない。

あいにく母は旅行中で不在。愛犬わたるの散歩に行っていた夫のケイタイへ電話し、救

急病院へ連れて行ってくれと頼んだ。

受付での記入を夫に代筆してもらい、待っていた。そんなに混んではいなかったので、

すぐ呼ばれるとは思っていたが、出血したまま待っているというのは、5分であろうと、

長い時間に感じる。しかし特に混んでもいなかったので、待ち時間15分くらいで診察

室に呼ばれた。

「どれ、痛いけどごめんね。見せてください。」と若いイケメン医師が言った。きっと

医大のインターン生なんだろうな、と思いつつ、その若いお医者さんに私の指先を見せ

ていた。

そして、持参した私の指先の破片を見せたら「う〜ん、縫えるかな〜縫えないんじゃな

いかな〜…ちょっと待って。」と言って、近くにいた別の先輩であろうお医者さんに見

せに行き「縫えますかねー?」と聞いていた。そして2人の医師が私のところに戻って

きて、指先と私と指先の破片を見比べて「あー、これねー、血管が通ってないから縫

えないんだよねー、ぎゅっと押さえて止血してねー。」と冷静に言った。

縫えるもんだとばかり思っていた私は、縫えないと聞いて、初めてショック状態であろ

う感覚になった。目の前が真っ暗になりかけ、気分が悪くなったのだ。それまで立って

いたのだが「すみません、ちょっと座っていいですか。ショックみたいです。」と言っ

て座った。「私の医師団」は「あ、どうぞどうぞ。血とかいっぱい出てるとねー、ショ

ックだよねー。」と優しく言ってくれたのだが、私は大量出血がショックなのではなく

て、縫えないという事実がショックだったのだ(苦笑)

具体的な治療は、ガーゼ&脱脂綿みたいなものを指先にかぶせ、透明フィルムをみたい

なのをぎゅっと巻いて、おしまいだった。そして「週明け、整形外科に来てもう一回診

察を受けてくださいね。」ということだけだった。

そして週明け、出血でドス黒くなった脱脂綿を貼り付けた指先のまま、整形外科で診察

を受けた。そこでも「あー、もう血止まってるね。うん。こんな感じで絆創膏で保護し

ててね。これちょこっとあげるから。」と言って、人工皮膚みたいな保護フィルムを指

先に貼って、絆創膏を巻いただけだった。「しばらくすると盛り上がってくるから、凹

むまで少し待ってね。」と言う事だけだった。診察料金330円。総合病院なのに330円。。。


私の指先は削ってしまっただけあって、確かに少し短くなっていて、確かな大怪我なは

ずなのだが。



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