12/20のねこさん       文は田島薫

ねこさん新人発見

土曜の昼前、ねこねこねこがはじめてみるのが、って家人が呼ぶんで、2階のベランダ出

て見ると、わが家から目前に全貌が見える奥の家のアプローチを道路に向かってふとった

きいろみがかったちゃとらがゆっくり歩いていた。

よお!、って声かけると、立ち止まってふり返り固まったままフェンスの間からじっとこ

っちを見つめてるもんで、こっちもずっとながめていた。まる3分ぐらいそうしてたら、

ねこさんの方がふいと向こう向いてまたゆっくり道路の方へ歩きはじめ道路に出てから、

となりのバレエ教室の前の車の陰へ消えた。


このあたり来んのはじめてなんだけどわるくないね〜、静かだし、道もきれいで歩きやす

いし、こんだから散歩コースに入れてみっかな、ちょっとぼくんちから遠いから、毎日、

ってわけにはいかないけど、こ〜静かなとこを、うるさい子供や大人なしで、のんびり歩

くぼくだけのしあわせな時間、…、つってるそばからだれかが何か言って呼んでるぞ〜、

ぼくのこと呼んでんのかなやだね〜、おそるおそる首をそっちへ回してみっと、ありゃ、

やっぱこっち見てやがるのがいるね〜、間抜けな顔で笑ってやがる、なんだってんだい?

しっけーなやつだな〜、なにか用でっか?ぼくの自由なひとりだけの散歩をじゃまする君

は、どーいったりょーけんなんでっか?なんか言ってみてよ。なんにも言わないで笑って

るね〜、もっともなんか言ってもぼくにはわかんないんだけどね人間語はただうるさいだ

けで、しかし、しゃべんなくても、なんだかうるさい感じするやつだな〜、こーゆーのい

んだとすっと、ここを散歩コースに入れるのはやっぱやめにすっかな。


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