8/23のしゅちょう             文は田島薫

(挫折感について)

仕事でも趣味でも、自分がそれに入れ込んで自分の能力を磨き、そこそこ自信もあっ

た事柄に期待してた成果が出なかったり、他人の能力との比較で自分の能力そのもの

に決定的な不足を知った時、人は挫折を感じるのだろう。

で、この挫折ってものは、よっぽどの天才でない限り、たいていの一流アーチスト、

作家、スポーツマン、ビジネスマンその他、あらゆるジャンルの人々が経験してるも

ののはずで、なぜなら、物事の進歩にはどんなものでも、段階があって、相対的に上

には上があるわけで、ずっとひとりで何かに打ち込んでたとしても、ある日他人とそ

れを比較する時が来て、自分が万能の王ではないことを自覚せざるおえないからだ。

その時に大天才だったら、自分より上がいないことを確認できるし、大凡人だったら、

自分がだれの上にもいないことに気がつかないか、全く気にしないわけで、自分が、

頂点どころか、かなり下にいる、って自覚できることは、進歩したい人には必要な条

件なのだから、挫折が大きいほどいい、ってぐらいのもんなのだ。

ま、しかし、挫折感ってものは残念な気持ちなわけで、それを感じ続けるのは決して

楽しいもんではないし、もう、自分はだめなのだ、ってことであきらめてそれから逃

げてしまおう、って思う人も多くいるのだけど、自分の能力のこれからの可能性に見

切りをつけて、もっと自分に向いた違う道を探ろう、ってことなら逃げるようなこと

もいいと言えるんだけど、そのひとつの挫折で、自分はなにをやってもだめな人間な

のだ、って野方図な無力感に陥ってしまうこともあるようで、これだと、つまんない

わけで、挫折できる、ってことはひとつの能力のレベルを証明してる、ってことだし、

それは、普通に起きるもんでもあり、進歩にとっては必要なもの、って風に肯定的に

とらえた方がいい、って当たり前すぎることをわざわざちょっと。




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