8/30のしゅちょう             文は田島薫

(日本国憲法について)

福原進監督によりこのほど完成し、各地で上映を始めた映画「太陽と月と」は日本国

憲法がただ米国に一方的に押しつけられただけの憲法ではなく、その数十年も前から、

日本人である自由民権運動家などが起草した草案が骨格になり後の学者なども参画し

て作られた事実を、歴史的順序に沿ってわかりやすく見せてくれる作品だ。

圧制に苦しむ人々が自由を叫び起った自由民権運動の精神が貫かれた幾多の草案は、

自由と平等と平和を謳う現、日本国憲法を形作る基本主題になっており、米国GHQ

も参画主導したとはいえ、実際その内容を主導したのは日本人だと言えるようだ。

そういった事実を確認せぬままに、他国が作った憲法は変えるべきだ、って改憲論者

に国民が安易に同調するとしたら危険で馬鹿げたことになるはずなのだから、改憲論

が国会で現実の議題に上り、賛否を国民に問われることになるかも知れない今、改憲

に同調しそうな日本人は是非この映画を観るべきだろう。

改憲論者は、まず、日本人が作った憲法かどうか、にこだわる、これについては、前

述の通りだし、次に、9条の戦争放棄、戦力の不保持、交戦権なし、に食いつき、他

国攻められた時に反撃できないのはまずい、などと主張する。

正当防衛といった自衛権は当然の権利なんで、自衛隊がそのためにある、ってことな

のに、万が一のその時、自衛のための反撃をできない、ってことがありうるだろうか。

だれがやろうとそんな馬鹿司令官は普通ありえないと思うんだけど、百歩ゆずって、

わが国は戦争放棄で、武力攻撃されても反撃いたしません、平和主義者です、って言

うのも世界平和に向けてのメッセージ力あっていいんじゃないだろうか。美しい詩の

ような戦争放棄を謳った9条が世界を平和に導く夢を国民が支持したらどうだろう。




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