8/9のしゅちょう 文は田島薫
(魚の乱獲について)
日本人は世界一魚を食べる国民らしいけど、刺身などの食文化が海外にも広がったせい
もあり、魚の乱獲が世界じゅうで起き、魚の量がどんどん減って行ってるようだ。
最近では地中海での本マグロ漁の規制がされたけど、日本近海での本マグロの巻網漁も
2キロにもおよぶ巨大な網であたりの魚を根こそぎ捕るもんで、旧来の一本釣り漁師は
全くというほど釣れなくなり生計の危機に瀕してるのだ。
巻網漁で一時に大量の魚を捕ることで成り立っている操業会社や流通会社やそこで働く
人々にとっては毎日の当たり前で普通の仕事なんだろうけど、その漁法によって、どん
どんその対象資源が枯渇して行きつつあるんであれば、けっきょく自分たちの首も絞め
て行ってることになるわけだから、なんとかした方がいいだろう。
とりあえず産卵期前後の操業を禁止したり小さい魚を取れないように編み目の大きさ規
制などはすぐにでもできるはずなのだから。
そのテーマでのテレビ取材で、5年前にも一本釣り漁団体から窮状を訴えられた水産庁
は無策で(法令は政治家が作るにしても)、今はもっと悪い状況になってる、って言う
のに、今でも「巻網漁の場合、幼魚を捕らないようにするなどして…」などと他人事の
ような呑気なことを言ってる。巻網漁では、腹にぱんぱんに卵を抱えたマグロも小さな
子供のマグロもその他の幼魚も無差別にキズだらけになって網にからめ捕られる、って
ことについて思いも至ってないかのように。
巻網漁をしてるのは日本だけでないし、海外の方が急速にそれの規模を拡大してるんだ
ろうけど、伝統ある漁業の先駆的リーダーとして、世界に模範を示したり、水産資源保
護についての提言をするぐらいの誇りあるわが国であってほしいもんだ。
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