4/12のしゅちょう 文は田島薫
(動き続けることについて)
生きることって、けっきょく脳や身体が動いてるってことなわけだから、よりよく生
きる、ってことは多分、意識的にもできるだけ脳や身体の機能を動かし続ける、って
ことなのだ。
子供が元気なのは、脳や身体いっぱいに活動してるせいだし、脳や身体そのものも成
長し続ける、ってわけで、とにかく全身が動いてるからだ。
じゃ、老人や病人になると、よりよく生きることができないのか、っていうと、そん
なことは全然なくて、最新の脳科学でも、脳機能は死ぬまで成長を続けられると証明
されたらしいし、いつも歩いたり、社会活動なんかやってる老人はみんな活き活きし
てて若々しい。
反対に動くことがきらいで、家でただ頑固に世の中呪ってるような老人は、活き活き
してるようには見えない。でも、そんな使い方でも脳を使ってるのはまだいい方で、
自分が老いてしまったことに絶望して、ただ寝てるだけで脳を使わないような老人は
早々に弱ってしまうようだ。
医者に見放され寝てるしかないように見える老人でも家族の力などでリハビリさせた
ら歩けるようになったって話もあるし、どうしても起きるのは無理だとしても、例え
ば食べることを自分の力でやることを努力できるならば、それを点滴などばかりで済
ますのと違い、身体の機能の活性や生命力に雲泥の差がつくようだ。
理想的にはどんなに身体や脳の機能が衰えているように見えても、機能がある限り、
それをできる限り使い続けることで、機能改善さえありうるということなのだ。
人間、少し大人になって、なんでも世の中のことがわかった気になったり、若い時の
ように動けない、って言ったり、動くのはしんどいもの、って決めつけたりしないで、
脳も身体もできるだけ動かし続けることがいいのだ。
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