4/5のねこさん 文は田島薫
上品なうまちゃん
先週の土曜、ブランチの後、自転車で食料の買い出しに出かけて帰って来て、わが家
の前に続く小道に入ったところ、向こうからうまちゃんが歩いて来て私のそばをすり
抜けたと思ったらすぐそばの家の生け垣に入ってしまった。
ちょっと行ってから自転車をUターンさせて戻り、生け垣の中のぞくと、横向きに座
ってるのに顔だけこっち向けたうまちゃんと目が合った。
じっと見合ってると、時々顔を前に向け直しては、またこっちに向ける。しばらくそ
れをくり返した後、やおら立ち上がり、何歩か歩いてこっちに尻を向けて座った。
ねこさんの尻をじっと見ててもおもしろくないんで、ゆっくりペダルをふんだ。
や〜、散歩きもちい〜ね〜、って言ってると急にめんどーな人が目の前にまた現れち
ゃったぞ。よし、このかきねの中入っちゃってやり過ごそう。来るぞ来るぞ、やっぱ
り、のぞきに来たね〜。でもかきねの中だからなでられる心配はないから安心。
見てるからこっちも見てやっか、なんかよーでもあんでっか?って感じで、なんだか
わかんないけど、こっち見てるね〜、ブキミだね〜。いつまで見てんのかね〜。何が
おもしろいんかね〜。なにがおもしろいんでっか?、って感じで見返してやって、さ
て、キリがないから、も〜、オヒラキ、後ろ向いちゃお〜。ぼくがこんなに上品じゃ
なかったらここで、プッと、へでもしてあげたいとこなんだけどね。