●連載
虚言・実言 文は一葉もどき
横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
日本国民が忘れてはいけない義務。
密約
父親と少年が「これはお母さんには内緒。男と男の約束だよ」といって指切りゲンマ
ンするのはほほえましいが、「これは国民には内緒。政府と政府の約束だよ」といっ
た国家間の密約は由々しき問題である。
実はこんな国民をバカにした密約が日米間で存在していたのだ。
憲法で“核を持たない、作らない、持ち込ませない”の非核三原則を掲げながら、歴
代の自民党政府はアメリカの日本への核の持込を容認し、そんな密約はないとシラを
切った。
最近になってこのことについて口をつぐんできた人々の発言が相次いでいる。
国民をあざむいたこの密約、日本のアメリカに隷属した象徴のよう。
沖縄返還の際には、佐藤栄作は裏側で核の持ち込みを認めたうえに返還の見返りに米
軍の莫大な費用を肩代わりしたという。お金で沖縄を買ったようなもの。これで佐藤
はノーベル平和賞を貰ったのだからあきれる。
最近は核の恐ろしさを知らない政治家が、北朝鮮に対抗して、日本の発言権を強くす
るために核を持つべきだというとんでもない輩も出てきた。
それでも、政治は刻々と変化する。オバマ大統領は演説で核廃絶訴えた。日本では鳩
山内閣がスタートして、岡田新外相が早々に密約問題の調査を指示した。
いい方向に変わっていけばよいが・・・
日本は原爆の洗礼を受けた唯一の国としてとるべき道を間違えないように我々はしっ
かり監視しよう。