思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
シャン先生、先週に引き続き民主党の不定見を心配してます。


札の裏には…     

お札を裏返すと毛がはえている。

命を助けてくれた恩返しに狸がお札に化けていた。ご存じ落語の一節。

民主党の行った日本郵政社長人事をみるとこの話を思い出す。あれほど固執するマニフェ

ストに反して、「元官僚がダメという理屈よりも能力がある人ならば認めるべきだ」と平

気でマニフェストを反故にする。

先に日銀総裁に元官僚が就任することに猛反対をしたことを棚に上げて行った今回の人事

への非難に対して、「退官後14年経っている」「私だって元お巡りさんだ」と弁解して

いるが、この元官僚の「退官後14年」ということはその間自民党に睨まれて正常?な天

下りができなかっただけであり、「元お巡りさん」も選挙という洗礼を受けている。どち

らの説明もこの人事の免罪符にはなっていない。


民主党は、二重権力下にあるといわれるが、権力は常に一つである。

それは、この人事に疑問をもちながら苦しい弁明をする政府高官をみているとわかる。

この、「政治は数である」の一言以外に物言わぬ権力が日本郵政に国家関与をする目的は、

国債の受け皿と選挙のときの集票マシーンを作ることであって、自分たちの権力が維持さ

れるならば国民のことなどどうでもよい。

かつてナチスは、一次大戦後の疲弊しきったドイツでインフレ対策と雇用の増大をかかげ

て、合法的に政権をとり国民の歓呼のもとこの二つの公約をはたした。しかしその後は、

ご存じのとおりである。


札に化けて他人の財布にもぐりこんだ狸がその財布を抜き取って逃げてくるのがこの落語

のさげである。

国民も民主党の上辺の動きばかりを見ていないで、ビジョンを示さぬ「真の権力」の動向

をよく見張っていないと、札の裏に毛がはえているどころか、いつのまにか財布をぬきと

られてしまうことになる。


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