10/13の日記          文は田島薫

街まで散歩

せかくの連休なのに(つっても、ずーっと連休みたいな生活なんだけど)、めずらしく、

友人の会社から急ぎのホームページ用広告原稿が来たもんで、土曜と月曜は仕事になった。

で、せっかくの貴重な日曜は有意義に過ごすために思い切って街まで散歩に出っか、って

ことで、ブランチの後、家人と「にぎやかな方の最寄り駅」の方へ出かけた。

住宅街の庭や玄関先にきれいに手入れされた植木や花々をながめながら歩くだけで気分が

いいんだけど、それを飾った当人たちも道を歩くわれわれのようなのも、とにかく人間の

姿はめったに見かけない。やっと地元じゃ有名な調宮(つきのみや)公園に来ると子供連

れの人々が大勢いたし、駅前のパルコの前にも大勢いたから、たいていの人たちは、あん

まり家の近くで自分の足使ってうろうろしたりしないで、家ん中でテレビ見てるか、一気

に公園やらデパートやらに車なんかで出かけてしまってるようだ。

パルコはできてまだ1〜2年のはずで、前回行ったのはいつだったか、そん時は、最上階の

さいたま市中央(?)図書館はまだ未完成で入口が閉ってたんだけど、今度は完成してて

私の家の近くの図書館の2〜3倍の広さに本が並んだ静かな環境ん中で、大勢の学生や中

高年が、沢山のデスクで勉強したり目つぶってCD聴いてたりしてた。これが全部無料、っ

てことだから、することも金もなくなった老後はここへ通うぞ〜、って。

で、上から順番に下りて来て、紀伊国屋で本探して見つからず、古着屋でいい色のシャツ

がすごく安かったんで思わず買おうとしたら、家人が(多分私の貧乏人根性に対して)批

判的な目で難色を示したんで、家人の目を離れた別の機会に内緒で買うことにして(うそ

だけど)、それを元へ戻した。

で、新品の服屋で家人が欲しいジーンズなんかも見たんだけど、やっぱり、股上の浅い、

すそ広がりのやつしか見当たらず、けっきょく何も買わずにパルコを出ると、足の早い秋

の陽が傾き、寂しい風もちょっと吹いた中を、あんまりおもしろくなかったね、などと話

しながらとぼとぼと帰途についたのだった。


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