思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいの「ぼけのたわごと」、タイトル変えました。
シャン先生、わが国の現実を直視することも必要だ、と説いてます。


この先は… 

モダンなビルが立ち並ぶオフィス街の挟間に点在する小さな公園。

そこのベンチに、ロダンの「考える人」のような形で座り込む中高年のサラリーマンの姿を多

く見るようになった。バブル期に甘やかされて社会に迎え入れられ、やがて社会の荒波につい

て行けず挫折して途方に暮れる姿をあちこちに見せた若者達とは違って、彼らは20年30年

と真面目に積み重ねてきた生き方が通用しなくなったことに対して途方にくれている。


国民一人一人の所得の半分以下で暮らす人を表す貧困率がOECD加盟国中第二位に輝く栄誉?

を得た。人口は少子高齢化へ向かい、新興国の発展とともに加工貿易と製造業で栄えた従来形

の産業は衰退へと向かいはじめている。たとえ産業構造の変革ができたとしても国民総生産で

は中国に追いつくことはできないだろう。政府のデフレ宣言とともに日本は確実に貧困国への

道を歩みはじめている。

経済的問題や福祉の貧困を原因に含む自殺者が毎年3万人を超え、身ぎれいなホームレスが日

ごとに増える現実は尋常ではない。

政治は、安易に過去の実績との相対的な数字で表される貧富の変動に一喜一憂している時では

ない。政治家は、国民からの声を待たずにこれら貧困の解決につながる小手先の対策ではなく、

過去の手法に決別をした斬新な政策を提示する義務がある。

しかし、現在の民主党、自民党にはその兆しはうかがえない。

政治に頼ることができない今、過去の栄華と経験にしがみついていては、来る暗黒の時代を生

き抜く事はできないと覚悟をしたほうが良さそうだ。


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