●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回のたえちゃんは食通だす。



お蕎麦。

私は、お蕎麦が大好きです。

そして、ラッキーなことに、山形はお蕎麦が美味しい。「山形のお蕎麦屋さんに入ったら、

おそらくハズレは無いよ。」と蕎麦好きな県外人から聞くことがあるが、もしかしたらそう

かもしれない。お蕎麦が美味しくないお蕎麦屋さんって、あんまり聞いたことがない。


ということで、この週末、一度行きたかったお蕎麦屋さんに行ってきた。

そのお店は、住宅街の一角にあり、蕎麦通に有名な店。私は以前からそのお店を知ってはい

たけれど、そこまで蕎麦通に愛される店だとは、人から聞くまで知らなかった。観光マップ

に載っていないわけではないのだが、特別にクローズアップされたりはしていないと思う。

フツーのサイズでフツーに載っているだけだ。


お昼時間を少し外した頃、歩いて出掛けた。少し運動をして美味しいお蕎麦を頂いたら、美

味しいものが、さらに美味しくなる。天気も良かったし、ちょうど良かった。

私たちが到着したと同時に、県外ナンバーのベンツでオバサン二人が来店していた。なんだ

かすごいなと思った。

お店はそんなに混んでなくて、お店もあまり広くなく、狭くもなく小ざっぱりしているとこ

ろだ。私は大好物の鴨せいろの大盛りにし、主人は天せいろを注文した。ワクワクする。私

はたいてい、どこのお蕎麦屋さんに行っても、お品書きにある場合は「鴨せいろ」や「鴨ざ

る」みたいな系統を注文する。今の季節ならなおさらだ。


ほどなくして私の大好物が運ばれてきた。

ひとくち汁をすすったら、これがまた絶品だった。どちらかというと辛目の汁に、鴨の野趣

あふれる香が乗っている。私は思わず「う〜ん、ものすごく美味しい。。。」と唸ってしま

った。蕎麦も、極細なのにものすごくコシがある。この細さでこのコシっていうのはすごい

なと思った。塩だけでもイケるだろう。水も素晴らしく切ってあり、お皿に直盛してあるけ

ど、余分な水の滴りは無い。


美味しい、美味しいと唸りながら、大盛りをペロリと平らげた。蕎麦湯も濃くて美味しかっ

た。蕎麦湯だけでも本当に美味しかった。ものすごく良い香がした。

ココのお蕎麦屋さん、必ずまた来るだろうな、って思った。


そしてそのお店のお客さんは、ドッと混みはしなかったが、お客さんが途切れることはなか

った。細く長く、お蕎麦屋さんらしいお蕎麦屋さんだなぁ、と感じた。



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