5/18のねこさん       文は田島薫

草食ううまちゃん

曇り空の冴えない天気のきのう、ベランダ越しに外を見てた同居人が、あっ、って言って

ベランダの方へ行き、しゃがみこんでから、ほらほら、って呼ぶんで行って同じ方を見て

みると、何も見えないんで、?、って顔して見せると、となりの車のかげにうまちゃんの

鼻先が見える、って言うんでどんな視力なんだ、って内心感心しながら目をこらしてると

そんな私の視力にお応えします、って感じでうまちゃんゆっくり出て来た。

で、全身を現すと、その場に腰下ろす感じになり、おもむろにそばの短い草を食いだした。

ねこは草食動物じゃないんで、そんな時は胸焼けしてるんだそうだから、エサもらえずに、

腹減りすぎてた、ってわけじゃないのだ。

鈍い光のうら寂しい道の端で、不器用に草噛んでは、ちょっとこっちの方に顔を上げてる。

なんだかモンゴルかどっかの草原にいる動物を連想したんだけど、やっぱりどっか違うの

はあたりまえで、名前はうまでもねこはねこなんだから。

しかし、そうやって、緑の野菜(?)で身体の調子整えるとこながめてると、うまちゃん、

きっと長生きすんね〜、って感じたのだった。


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