スクータ男遊びに来る
先週遠出したもんで、今週は読書などで平穏に過ごし暮れようとしてた日曜の夕刻、
風呂入ってて、そろそろ出っか、って同居人と入れ代わろうとするころ風呂場のく
もり窓ガラスの向こうをオレンジ色した不審な人影が横切った。
上がってから人影が行った方の部屋行って外見てみたけどだれもいないんで、変だ
な〜、って思ってると玄関でピンポン、って鳴るもんで、ちょっと待たせてズボン
とティーシャツ着て出るとドアの後から、オレンジ色のダウンジャケ着た小太りが、
人(私だけだけど)呼んで将棋男、改め、スクータ男、の顔が出た。
おたがいが中学のころから断続的にかなり親しくつきあってる友人で、いつも上か
ら目線で物言いをする無礼なやつなんだけど、私も人のことあんまり言えないとこ
もあり、許してやってるところのが、お、って本を差し出した。
その本は1年以上前、私の留守中に来て、ちょうど居間に出しておいた私の本を自
分のだ、って思い込んで同居人にそれを告げ持ち帰っちゃったやつで、その後、メ
ールで私から間違いを指摘されたのに信用せず、やっと先日自分の書庫に同じもん
があることに気づき、近くで用事が済んだ後ついでに持って来たようだった。
将棋男として来てたころからずいぶん久しぶりだし、ま、ちょっと上がれ、ってこ
とで歓迎、しばらく話してたらそろそろ夕食の時間だったんで、用意すると言い、
予定の献立のシャケは2切れ、さいわい昨日の残りのイワシが1ぴきあったんで、わ
れわれはシャケ喰うけど、あんたはイワシでいいよな、われわれはそれ昨日喰った
ばかりだから、って言って出したら、こともなげに自分はシャケがいい、って、そ
れを自分の前に確保する、といった無遠慮な自己中である。
スクータで来てるし、元々酒をふだん飲まないやつで、お茶がいい、と言うんでそ
れを出し、私だけビール・ショーチュー飲みながら相変わらず精力的で自由奔放、
なぜか彼のまわりでは尽きたことのない事件満載といった近況報告をけっこう楽し
く聞かせてもらってるうちに間もなく深夜3時、そろそろこちらの質問にも答えた
えたくないジャンルになったか、ひとり自分の世界へ入り込んでぶつぶつ独り言。
帰る気配もないんで聞くと、帰るの面倒になっちゃったな、って言うんで、ふとん
敷いてやり、まだ起きていたそうな顔に寝ること勧めたら、少し残念そうに、そー
すっか、ってのろのろ立ち上がった。 |