●連載
虚言・実言 文は一葉もどき
横浜が縄張りの元タウン誌ライター。
貧しさにもめげず言の葉を探求し、人呼んで“濱の一葉”。
ウソ半分、ホント半分の身辺雑記を綴ります。
もどきさん、岡本太郎の絵を再発見しました。
岡本太郎の巨大壁画
先日渋谷へ行ったついでに岡本太郎の壁画を見てきた。
壁画は渋谷マークシティの連絡通路にあり、そこは大きな空間で中二階があるので
そこから眺めると全体がよく見える。
「明日の神話」というタイトルで、第五福竜丸が被爆した際の作品だ。
中央に骸骨のような人体があり、周囲に原爆の炸裂したような強烈な色と形が散り
ばめられている。
岡本太郎の絵は原色が多く形も奇抜なので、好きな画家ではなかったが、実際にこ
の絵を前にするとなかなかいいものだと思った。
原色ばかりだけでなく微妙な色使いも随所に見られて、勢いだけで描かれたのでな
いことがよくわかる。
絵はやはり本物をみないことには感動は伝わらない、ということか。
「芸術はバクハツだ!」と叫んだ岡本太郎のエネルギーがそのまま表現されたよう
なインパクトのある絵だが、多くの人が行き交うこの場所で実にしっくりしている。
朝夕の通勤で、買い物帰りに、仕事の途中で、さまざまなシーンでこの壁画を見上
げれば何か一条の光が射し込むような刺激を受けずにはいられない、そんな印象を
もった。