7/13のねこさん       文は田島薫

うまちゃんいいわけをならべる

きのうの夜中12時過ぎに(あ、正確にはきょうだからタイトル通りでよかったよかった)、

2階で歯をみがいてると外でねこさんのケンカの声が聞こえたんで、そのまま階段下りて、

玄関から出てみた。

向かいのアパートの前の貯水タンクの裏にねこさんたちいるようで、となりのバレエ教室

の主人が出て来て、そっちのぞきながらみゃん(うまちゃんの本名)、って呼んでるわき

から、白っぽいねこさんが出て来てどっかへ行っちゃった。

なんだあっけなく終わりか、って思ったんだけど、タンクの後ろではまだねこさんの声が

続いてて、主人は少しめんどくさそうにみゃん、って呼び続けてる。

一匹ねこが出て行きましたよ、って主人に言うと、うん、白いのが出てった、って、言う

んで、ひとりでないてるのかな?、ってわざわざ言ってあげると、主人、少し面目ないよ

うに、あ〜、うん、などと応えた。

で、なおも、うまちゃんとみられる声がえんえんと続く。

多分いつものように他のねこさんにからんだうまちゃん、けっきょくタンクの後ろに詰め

寄られちゃって身動きできずにさかんに、大声上げてたんだけど、人間のおとーさんが来

てくれたもんで、危機脱出できてほっとしたものの、そのまま助かった〜、って出て行く

のはなんだかかっくわり〜、って思ったもんで、出るのはいろいろ言ってからにしよう、

って決めたようだった。

なんだ、ばきゃろー、これから、おまえなんかすぐにやっつけてやろう、って思ったとこ

ろに人間のおとーさん来ちゃったもんで、おまえは、よかったねー、っだ、ぼくがこわい

せいじゃないんだ、っていいわけできちゃってさ、おとーさん来なかったら、ぼくはおま

えなんかこてんぱんにやっつけちゃったとこだからね、ね、ほんとだよ、おとーさんも、

わかってくれるよね、ほんとなんだからね、ね、信じてくれるよね、うそじゃないんだか

ら、ちきしょう、おしかったな〜、やっつけてやったのに。


戻る