2/9の日記 文は田島薫
ゆっくり老人話
先週の日曜はパソコンにふりまわされたもんで、今週は家でゆっくり過ごすことに
した(あんたはいつも家からほとんど出ないっちゅーの)。
午後は、先週読み終えた奥田英朗の若々しく楽しい物語に自分も参加したように満
足したもんで、今度はのんびり老人たちの話を読むことにして、瀬戸内寂聴と聖路
加病院長日野原医師の対談を読んだ。
日野原さんは今97才ぐらいで現役、その本の時も90才になってるっていうわりに、
めちゃくちゃ若い笑顔の写真としゃべり、その老いを感じさせない理由がわかった。
まあ、それを簡単に言えば、あたりまえ、身体と脳をいつも動かしていて、その考
え方に、ふつうの老人にありがちな頑固なところがないのだ。
それを端的に表わしてる、彼が感じ入って忘れない、って話があって、それは、ユ
ングだったかの弟子でなんとかって人がある老師に会った時、その老師が、自分は
今までの自分の認識を全部改めて新しい気持でものを学び直したい、って言った、
って話をそのなんとかさんが感心したって話を、日野原さんも共感したんだって。
で、それを読んだ私も共感した(えらいっ)。
おもいきり頑固になるのも老人なら、おもいきり自由になれるのも老人なんだ、っ
てことで、どっちがよりおもしろいか、って、やっぱり自由の方の気がするな〜。
夜は新聞の読み残しのたまったやつを順繰りチェックしたり、ショーチュー飲んだ
りしてるうちに眠くなり、テレビでホルストの惑星を演奏してるのをステレオにつ
ないで聴きながらコタツで寝転がってうとうと仮眠したりしてるうちに、間もなく
休日も終演になった。