●連載
がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃん、なつかしい一時を過ごしました。



つながる場所

この週末、大学時代のバンドサークルの仲間で集うことになった。遠くに住んでいる私

にも、声をかけてくれるのは、とてもありがたい。

私もはるばる山形から出掛けた。

少し早めに東京について、ホテルにチェックインしてから、ちょっと散策した。

クリスマスのイルミネーションが美しい季節だった。

ホテルに戻り、身支度をして集うべきお店へ向かった。

場所はみんなの思い出の水道橋。


誰が来るのか、まったく聞いていなかった。でもこういうことで集まってくれるのは、

だいたい決まった人だろうし、そして間違いなく私が一番遠いんだろうな、と思いなが

らお店に着いた。案の定、仲の良かったヤツがちょうど店に着いたところだった。

「おぉ!タクロー、久しぶり!」と声をかけたら、タクローも「おぉ!山形から来たの

か!」と驚いていた。そしてもうひとり、仲の良かったヤツを待って、3人でお店に入

った。

先に着いていた先輩方からは、「おー!お前ら、何だか見慣れた絵ヅラだなー!」と笑

われた。そうなのだ。我々はだいたいいつもツルんでいたのだ。

席についてからは、もうおしゃべりと笑いと、酔っ払い。だいたい10年ぶりくらい。

同じサークル内で結婚した先輩や、自分の子供を連れて来た先輩もいた。こういう、家

族ぐるみで付き合えるのって、なんだかとても温かい。でも、この仲間って、学生時代

からそうなのだ。とても温かいつながりで、大きな家族のような集団だった。


久しぶりに会った仲間と話をしていると、まったくもって時間が足りない。あっという

間にお開きになった。私たちはカラオケに繰り出した先輩方と別れ、少しばかりマック

でコーヒーを飲んだ。


学生時代だったら、こんなときズルズルといって、泊まって夜通し話をしたのだけど、

少しは大人になった私たちは、酔い覚ましのコーヒーを飲んで、終電に間に合うように

帰った。私もみんなも、それぞれに自分の家庭があり、人生がある。大切なものが何な

のかが、分かっているのだ。口々に「また会おうな!」と言っていた。私は「お前たち

がアタシを呼べよ。」と言った。

近くにホテルをとっていた私は、懐かしくてお別れがさみしくて、張り裂けんばかりの

気持ちだったけれども、笑顔で彼らを見送った。

私も少しばかり大人になったなぁ、と涙が出てきたけれど、何だかとっても嬉しかった。



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