12/14のねこさん 文は田島薫
うっしーまだまだ放浪中
先先週の土曜のことなんだけど、またうっしーが放浪してるのを見たもんで、先週のね
こ日記に書こうかと思ってから、前に書いたと同じこと書いてもおもしろくないだろう
と思い直し、別の取材(それほどのもんかっ)の話を書いたんだけど、先週は思いきり
寒かったり雨降ったりしたもんで、ねこさんたちはこたつ、もしくは段ボールの中から
出て来なかったもんで、うっしー放浪シリーズ、パート3。
土曜の朝は2階居間のいつもは開けない北西側の小窓も開けてブラインドの掃除などを
するんだけど、開けて下を見ると、ちょうど道路の方から窓下の1メートルほどの巾の
雑草だたみに入って来て向こうへ歩いて行く相変わらず太ったままのうっしーが見えた
もんで、おーい、って声かけてみたら、ふり返りこっちを見上げて固まっている。しば
らくしたら、思い直したように前向き直って歩き始め、見てると、身体の割りに身軽に
奥の家のコンクリ垣に飛び上がってフェンスとのこれまた狭いスペースを左に歩いて行
き視界から消えたので、急いでベランダの方へ移動して、家人も呼んでいっしょに続き
をながめて、また声かけたら、少し小走りになって奥の家の玄関の方へ曲り、尻を見せ
てからまたゆっくり奥へ歩いて行き見えなくなった。
や〜、ぼくはずっと家探しをしてるわけなんだけど、やっぱりどうしてもこのあたりが
気に入ってるもんで、戻って来ちゃうんだよな〜。でもいくら歩いててもぼくの寝られ
る家が見つからないうちに、ご近所になるあの人に見つかっちゃうから、気まずいんだ。
だから、わざとこーやってあの人の家の裏からこっそりと入り込んでるってわけなんだ
よな〜、あれ、上から声がするぞ、いや、上からだしそれこそソラミミソラミミ、でも
ひょっとして、神さまが、お前に家をあげようー、って言ってるかもしんないからちょ
っと見上げてみっか、あっ、やばい、見つかっちゃった。ん、んと、いや、ぼくは家が
まだ見つからなくて探してるわけじゃないんです、ただぼくの家の近くをさんぽしてる
だけなんです、って顔して歩いて行って、と、ほら、ぼくは太ってても、ちゃんと身体
きたえてるから、ぴょんっ、ほらこの通り。
よかった、もう追っ手をまいたようーだ、安心して歩いて、あら、また声がする、こっ
ちに来てまたあの人が見てる、とととと、おっと、すとっぷ。落ち着いて落ち着いて、
ゆっくりと向こうへ、あの人の目が届かない奥まで、おいっちにおいっちに。