8/24の日記          文は田島薫

真夏の障子張りと粉闘

おふくろが一ヶ月ばかり入院してるんで、その間、自分の健康状態を過度に心配する

おやじに頼まれて(ふつうなら子供の方が先に心配してもよさそうなとこだから、自

己中で似たもの親子ってことになるんだろうけど)仕事やホームページのデータを入

れたノートパソコン(家人のibookを借りた)持って茨城の家まで来て滞在しながら

おふくろの病院へ行ったり家事やったりしてる合間を使ってパソコン作業をしてるも

んで、なかなか忙しい。その家事もすべてがヘビーメニュー。料理で言えばおやじの

ために時々肉料理別に作る必要があったり、買い物は5〜6キロ先でしか買えないも

のがあったり、洗濯しなけりゃいけないもんはあたりにごろごろ。部屋のあちこちは

永年にわたる汚れで掃除しだすと切りがない。そんな中で、おやじは気楽に用を追加

してくれる。

それほどでもないように見えるんだけど、足元と目が弱ってることを自分で大事に考

えるおやじに、庭のジャングルの枝下ろしと切った枝のカットと整理整頓、池の水の

排水、迎え盆と送り盆の行事などを代行させられる。

先日はお気楽さまが、ちょっと、と家人と私を呼ぶもんで行くと、障子を指差して、

ほらこれきれいに変えた方がいいよね、水ぬらしとくと簡単にはがれるから、さっと

張ればいんだから、って言いながら同意を求める。確かに少し色が黄ばんで来てるし、

1〜2ケ所は小さく穴の開いてるとこもあるんだけど、他のもっときれいにしたい、

ってところに比べれば、全然発想もしなかった部分だった。

ま、年取って、目が弱ってるもんで、棚や台所や部屋の隅といったところの盛大な汚

れなどより、白っぽい障子の状態の方が気になるのだろう、ってことで、昨日、それ

の作業をしたんだけど、私は何十年も障子のない家に住み、それの張り替えなどやっ

たことがないもんで、うどん粉でのりを作るところから大苦戦。

どのくらいそれを入れればいいか迷った末、足りなくて後で追加で作り直しは面倒だ

って思い、水といっしょに粉を多めに鍋に入れ火にかけてかきまわしてると、どんど

ん固くなり、たびたび水を足してやってるうちに出来上がったのは、2〜3センチの

無数のかちんかちんのだんご玉とかたいペーストとの混ざり物が、鍋の縁にも溢れる

ほどの量。

しばし、これを強引に使ってやった障子張りを想像してみてから、すぐにそれの別の

利用法を考えてみて、それを食事の代わりに飲む、ってことを想像してみてから、涙

を飲んで流しに捨て、ごく少量の粉でころあいのいいのを作り直したのだった。


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