4/27のしゅちょう             文は田島薫

(ことなかれ主義の危険性について)

人気タレントが夜中の公園で全裸で騒ぎ、公然わいせつ罪で逮捕された、ってニュース

とそのマスコミのあつかいの大げささにはあきれた。

朝テレビ見てると臨時ニュースという扱いでテロップやらアナウンスが入り、その後の

新聞の一般紙でも第一面の扱いしたり、社会面でも何日も大真面目に経過報告したり。

だいたい、まず、公然わいせつ、って夜中のだれもいない公園でだれが酔っぱらいの裸

を見るっていうのか、酔っぱらいが大声で騒いでる、って警察に通報するのはいいとし

て、それが有名人だろうが一般人だろうがただその酔っぱらいにひとこと注意して保護

するだけで済むぐらいのことだったはずなのに。

多分警察も相手が有名人だということで乗ってしまい、公園で酔っぱらって全裸で騒ぐ、

って要素をまとめて、法的な言い訳に問題はない、って条件反射のロボットのように逮

捕まで持ってってしまったのだ。しかし罪問うにはその被害者がどこにいるのか、って

基本的なところを考えなけりゃいけなかったのだ。

新聞やテレビの報道も、ほんとは読者視聴者が興味引く話題で各局、各誌がやってるわ

けだし、取り上げても自社だけが非難されるわけでもなし、取り上げない方はない、と

いった興味本意の乗りなんだし、ストレスの多い現代ではだれでも人ごとじゃないわけ

で、酒飲んでちょっとハメ外すってこともわかりますね〜、ってように、もっと笑い飛

ばすような余裕の表現でもすればいいものを、右へ習えでどこもなんだか重大犯罪のよ

うに生真面目な顔して報告。

CMスポンサーたちだって、どこも、うちはそれぐらいのことには寛容です。却って正

直な人柄に余計好感を持ちました、なんて言うとこがあれば俄然企業評価も上がるんじ

ゃないかとも思えるのに、ひょっとすると悪影響出るんじゃないか、ってびくびくしな

がら他社の反応をうかがって、こちらも右に習えのことなかれ主義。

そんなに騒ぐことでもないのにあほらしいって感じてる国民の方が多いようなんでまだ

大丈夫だと思うけど、報道なんかにあんなにシャレだとかユーモアとかが欠けてるせい

か、何が重大な罪かもわからなくなった某大臣はそんな軽微な人の失敗に、最低の人間

呼ばわりまでしちゃって。なんだかわけのわからない生真面目な正しさみたいなもんを

みんなで共有して安心してるうちに政治家主導で自分やよその国の人間を殺したりして

ることにも鈍感なロボットになっちゃった時代も過去にはあったのだ。




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