9/16のねこさん 文は田島薫
自由なねこさん
きのうの休日の午後は動物園へ行っていろんな動物見て来たんだけど、やっぱり、
動物園の動物たちはせまい囲いの中から出たくても出られないわけで、みんなどっ
か無念そうな顔つきだったんだけど、帰って来て、家へ向かう道の途中会ったねこ
さんふたりには、よかたね〜、って声をかけてあげたくなった。
家へ向かう2つめの坂の手前のアパートや建売が建ってるエリアの道路をねこさん
横切って行く。中ぐらいのしろくろと小さいちゃとら、ちゅうぐらいが先にたち、
小さいのがついて行く形。
声かけたら、ふたりともこっち見ながら歩いて行き、向かいにあるどっかの寮の後
ろずーっと続くフェンスとの間を行こうとして少し高くなったコンクリの上に飛び
乗った。また声をかけたら、小さい方はこっち見ながら立ち止まって、ちゅうぐら
いは、そんなの相手にしない方がいいよ、って顔を小さい方に向けたんだけど、小
さい方がこっちに好奇心持っちゃって動かないもんで、しょーがないな〜、いいか
げんで逃げてくんだよ、って顔で振り返りながら自分だけどんどん奥へ歩いて行っ
ちゃった。
小さい方は、体を横向きに安定させてこっち見て、え?なんなの?遊んでくれんの
?それかなにか食べ物でもくれんの?どーなのそこんとこは?って目が色々言うも
んで、こっちも、いや、ちょっと呼んでみただけ、って言いにくい気分になり、え
ーと、何か食べ物持ってたかな、って考えたら、古くなったのどあめぐらいしかな
いもんで、あや、なにもないね〜、って言ってから、しばらく顔を見合ってたんだ
けど、で、ど〜なのよ?って依然と、期待顔が言うもんで、じゃね、君と話せてよ
かったよ、って目で言ってから、その場を離れた。
その後、彼はあのちゅうぐらいのに、だから言ったろー、あーいうのはほとんど、
ひやかしなんだから相手すんじゃない、って、って言われてるはずだ。