10/27のねこさん 文は田島薫
まどろむねこさん
土曜の午後、けっこうポカポカといい天気の中、いつものように食料の買い出しに自
転車で出かけた帰り、高台のねこよこちょうにさしかかると、庭に色々緑を植えたど
っかの家のへいの上からうす茶のねこさんが飛び下りてから道路をゆっくり横切って
行ったのを目で追って、そばまで行くと向かいの家の庭の茂みの池らしき縁で向こう
向いてじっとしてる。
道路反対側のねこさんがさっき下りたへいの上を見ると、まだねこさんがふたり、小
さくてきれいなうす茶とくろとらがいて、お互い少し離れたところでくつろいでいる。
へいの中では建具かなにか修繕してるような音がしている。
自転車止めて、ねこさんたちをじっと観察してると、ねこさんたちもこっちを少し気
にしてるようなしてないような、で木々をバックにして気持よさそうに目を閉じたり
開いたり、時間が止まったようなくつろぎを私も味わってる。
小さなモーター音がして向こうの左右が垣根や木なんかで隠れてる十字路のすき間を
ピザ配達のバイクのようなもんがのどかに横切った。
ねこさんたちはまだくつろいでたんだけど、奥の方のねこさんはゆっくり立ち上がる
とへいの内側に飛び下りて行き、くろとらの方だけ残った。
しばらく残った方のねこさん見てると、うす目あけてからこっちへ近づいて来て、適
当な位置でまたうずくまってから、まどろんでいる、
しばらくすると、さっきの十字路をどっかの奥さんの自転車が横切る。
ねこさんはまどろんでいる、
またしばらくすると、十字路を小さな乗用車がのどかに横切る。
ねこさんはまどろんでいる、
私もそろそろ自転車動かして十字路の方へ向かう。