7/22のねこさん 文は田島薫
大げさうまちゃん
きょうは朝から晴れて暑い。燃えるゴミ出して帰って来るとバレエ教室の玄関前の車
の下で梅ちゃんが涼んでいたんで、ちょっとなでてやったんだけど、この情景はもう
前にも報告してるし、それだけのことだから文がもたない。
で、なんか話題なかったかな〜、って考えてみたら、先々週の話で1個思い出した。
でも、これは当人の名誉のために話さないでおこう、って一旦考えていた話なんだけ
ど、話題がないんだからしょうーがない、ってことで、簡単に当人の名誉を売り払う
ことにした私であった。で、当人というのは、うまちゃんのことなのだ。うまちゃん
は、梅ちゃんと正反対の性格で、始終そこらを走り回ってるほど活動的なんだけど、
警戒心が強く、人やねこなど見るとすぐに逃げてしまう。
晴れた日の休日の午後2階の居間でくつろいでいると、下の方でねこの叫び声がした
んで、ベランダに出て見てみると、奥の家へのアプローチのスロープに止まってる車
の下にくろとらのうまちゃんと別の白っぽいのが駆け込んで行ったのが見えた。
で、ぎゃーぎゃー、って叫び声だけが聞こえるんで、同居人といっしょにちょっとベ
ランダの階段を降りて、車の下あたりをのぞいていたら、気配を察したんだろう、う
まちゃんじゃない方の白ねこがちょっと小走りに出て来て、スロープを道まで下って、
フェンスの向こうへ曲って消えよう、って前に振り返った。
そしたら、そのねこさん、鈴かなんかついた首輪したあどけない表情のまだ子供のね
こさんだった。なんだったんだろうー、あのねこさん、ただ友達になりたかっただけ
なのに、あんなに怒っちゃって、それにこっち見てるあの人たちはなんなんだろー、
まだまだ、ぼくにはわかんないことあんねー、世の中、って顔で言ってから消えた。