7/7の日記 文は田島薫
熱帯のレンタルビデオ店
土曜日曜と猛暑で、わが家の2階居間はハメゴロシ窓なんかもあって、すぐに32度
や35度にさえなっちゃうんだけど、燃料費値上がりなんかもあり、なるべくエアコ
ンつけないでガマン、って同居人なんかも頑張るもんで、大変。
それだと、外と家ん中の温度変わらないんで、まだブランチ済ましたばかりの正午
過ぎの炎天下に自転車乗って借りてたレンタルDVD返しに出かけた。
その時間はどこも日陰がない熱帯の街の様相で、歩いてる人などいないんだけど、
半年も前に建てたのに買い手がつかないらしい建売の前じゃ旗立てた前で携帯持っ
た建売業者の社員らしき男が、来そうもない客を待ってるし、空き地じゃ、簡易テ
ント張った下で机1個と椅子2脚のひとつに座った不動産屋の社員がやっぱりいつ来
る保証もない客を待ってる。
すぐ戻るつもりでハンケチもタオルも持たず行ったもんで、ビデオ店に着いた時は
首のあたりまで汗びっしょ、店入ると、ひゃ〜、涼しい〜。
なんだか、ちょっとゆっくりして行こうって気になっていろんな棚を丹念にチェッ
クして、借りるものを探したんだけど、なかなかその気になるものがない。
しょうがないね〜、などと言い訳しながら、のんびり店内をひとまわりふたまわり
してると、同じようなおっさんが椅子座ってちょっとうとうとしてる。で、やっぱ
りちょっと後ろめたいのか、私が傍通ると、なんとなく立ち上がったりしてる。
気がつくと、もうたっぷり1時間半ぐらいいるんで、返した「ショコラ」と同じラ
ッセ・ハルストレム監督の「シッピングニュース」を借りて帰って来たら、熱射病
で倒れたんじゃないか、って心配してた、って心配性の同居人に叱られた。
「シッピングニュース」は「ショコラ」と同様、監督得意(?)の、挫折と再生と
いった内容の作品で、自然と音と素朴な感性が共振するシンフォニーだ。