ぼけのたわごと             文は上一朝(しゃんかずとも)


大変お待たせいたしました。
大好評だった酩酊放談のシャンせんせい、装い新たに復活しました。
今回のシャンさん、字数省エネで最大感じ入り効果、ねらったらしいです。



心に残る言葉                             

地震の被災地、栗原市のいちご農家。

インタビューに答える、70代の夫婦。

夫は、いちご畠が壊滅的被害をうけて再起不能であることを淡々と語る。


「こんな形で終わるとは」


少し離れたところにいた老妻がポツリと言った。

開拓に入って60年。営営と築きあげたいちご畠。

二人とも歳だから、いずれはと思っていただろう。

その言葉に続くのは、「─思っていなかった」でも、「─情けない」でもない。

恨みもなく、悲しみもなく、[終わり]を受け入れる。

涙も見せずにポツリと言ったお婆さん。いい顔をしていたな。

きっと、自然をあいてに仕事をしていた人は、

[常ナラ無]を知っているのだろう。


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