ぼけのたわごと 文は上一朝(しゃんかずとも)
大変お待たせいたしました。
大好評だった酩酊放談のシャンせんせい、装い新たに復活しました。
今回のシャンさん、悲惨の現実をごまかす政府の統計のウソについて。
Miserable Index
悲惨指数というものがあるのをご存じですか。
Miserable Index.あるいはMisery Index.と書きます。どちらが正しいのかわかりません。
読者のなかで英語に堪能な方、いますよねー(笑)、教えてください。
だれかが書いていました。なんて酷い訳をするのかと。ヴィクトル・ユーゴのLes Miserable
を訳した黒岩涙香にならって無情指数とするのもいいかもしれません。
これは、アメリカで大統領選挙が近づくと話題になる生活指数のひとつです。
消費者物価上昇率(インフレ率)+ 失業率 = 悲惨指数 で表されます。
この指数が10.0を超すと国民のあいだに不満が高まるとされています。
ニクソン、フォード時代はこの悲惨指数が10を超え、レーガンは就任時10を超えていた
のを抑えました。カーターは20を超え、papaブッシュは12、クリントンは10以下を保
ちました。われらがブッシュJrはどうかというと、低金利政策で低く抑えてきたのですが、
ここへきてサブプライムローンと、原油価格の上昇で10に近くなってきました。
さて、日本はどうでしょう。公表されている4月の数値で見ると、インフレ率0.9%、失
業率4.0%ですから悲惨指数は4.9となります。数値は低いのですが、このインフレ率
0.9%を見て、「おいおい、ちょっと違うぞ!」と思うでしょ。ここが統計の怖いとこで
す。テレビ、パソコン、ケータイ、デジカメの相対的値下がりが生活用品の値上げの足を引
っ張っているのです。結果としてインフレ感いっぱいなのに、いまだに統計上はミニデフレ
です。
失業率も似たようなところがあります。派遣社員を雇用と認めたのでこの数字になるのです。
派遣社員なんてカッコいいことを言っていますが、昔でいえば臨時雇い。日雇い派遣はニコ
ヨン(日雇労務者)です。こういうものを雇用とした政府も問題ですが、「派遣は時間が自
由になる」なんて浮かれたものだから、みごと経営サイドに悪用されてしまいました。
目先のことに浮かれて墓穴を掘る国民。派遣社員の扱いで問題を起こしたトヨタの奥田、キ
ャノンの御手洗両氏を経済界のトップにいただく国民。秋葉原の事件で法改正に走る政府。
ナイフが5センチ短くなると殺人が無くなるのですか? 笑いながら現場をケータイで写す
ヤジウマ。事件をタレントの離婚話のノリで報じるマスコミ。皆、悲惨な話です。どうして
日本人はこうも悲惨が好きなのでしょう。
もっといろいろな悲惨が身近にあるはずです。どうですか、あなたの悲惨指数を作ってみて
は…。傑作にはココアスタジオから賞品が出るかもしれませんよ。(笑)