2/4の日記          文は田島薫


横浜散歩と舞踏公演

出無精な私はいろんな誘いを次々断ってるんだけど、土曜日は私がチラシをデザ

インした成瀬信彦さんの舞踏公演に招待されてたんで、久々に出かけてみっか〜、

って、ことにして同居人と横浜まで開演より3時間ほど早めに行き、もう10年以

上ぶりのはずの、中華街や山下公園を歩いたんだけど、すぐに記憶が蘇り、今さ

らながらに、時の過ぎる早さを感じた。


明日は雪だ、って寒空の下の中華街は、ここんとこ騒がれてる中国産餃子の殺虫

剤混入報道のせいか、人出が少ないようだった。

少し寂し気な店頭の売り子の呼び声を聞き流しながら、山下公園へ出て、汚い海

風を受けながら、けっこう大勢の若いカップルたちに囲まれた不思議な手品パフ

ォーマンスをながめたりしてから、アンティックな風情の税関ビルなどを抜けて

夕暮れにライトアップされた赤レンガ倉庫へ行ったら、手前スペースに小さな臨

時スケートリンクができてて、ここも若いカップルで混雑していた。

赤レンガ倉庫の中はブティックやスナックレストランがびっちり入っていて、こ

こも若者たちの盛り場になっているようだった。

ふ〜んといった感じて、ひとまわりしてから、途中ファミリーレストランで寂し

い内容のカキフライライスを食べた後、酒屋で差し入れのショ−チューを買い、

横浜スタジアム前にある舞踏公演会場に向かった。


会場は旧裁判所跡の地下で、舞踏は、毎度のように、心弾む楽しい見せ物、って

いったものと対極の性質のもので、座禅に似た、一種の忍耐を強いられるもので、

それが、逆に、普段使っている感性と違ったものを引き出してくれるようだ。

ピアノがまたよくて、私も家で風呂上がりごとにでたらめピアノを弾いているん

だけども、やっぱり本職のそれは、すごく乱暴に弾いているように見えるんだけ

ど、ひとつひとつの音に効果と必然性を感じさせるものだった。


30〜40分後にパーティになり、スタッフのサックス奏者ガンジーさんが参加者

全員に配った様々なパーカッション楽器や雑貨による、パーカッション大会は、

音の出し合いもおもしろかったし、水墨作家の北山真智子さんが即興で踊ったの

がとてもおもしろくて、私も大いに楽しんだんだけど、あれ、きょうの踊りの主

役は成瀬さんだった、よな。


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