12/1のしゅちょう             文は田島薫

(医者の選び方について)

新聞の読者の欄に歯科医で部分入歯を作ってもらおうとしたら、当然のように保険

外の30万円の方を勧められた、って話が出てて、これは昔からよくある話のパター

ンで、医者の方も商売の面があって少しでも儲けの多い方がいい、って思うのが人

情の上、少しでも保険外の義歯の方にクオリティの高さの事実がある限り勧めるこ

とに良心は痛まないだろうから、一概にその歯科医を非難することもしにくい。

私も昔、すごく繁盛しててきれいな女性の衛生士の沢山いる歯科医で治療を受けて

たことがあり、その頃は医者の説明を素朴に受け入れて、長く使うもんなんだから

いいもんの方が安心だろう、って保険外の高いさし歯や金属をかぶせてもらったり

してた。

金属をかぶせる時に保険で入れる方の説明ははぶいて、3つぐらいの保険外の料金

メニュー見せられ、最初の時は素直に5万ほど払い、別の歯の時には、少し疑問が

出て来て、そのメニューのランクの差を医者にたずねたところ、保険のものと、保

険外のものとの値段の差は材質のクオリティの差で、保険外のやつの中でのそのラ

ンクの差はそれほどないからどれでも大丈夫だ、ってことだったので3万のやつを

入れた。

やがて5万のやつの方がとれちゃったので、その医者に行くと、また作り直さなく

ちゃならない、ってことだったんで、とれたやつ持って来たからそれを材料に使え

ばその分安くなるんでしょうね?って聞くと、それはなくてまたまるまるの料金が

かかる、ってことだったんで、院長を呼んでもらい、保険外の値段はクオリティの

高い材料費のせいだと言われてたんだけど、って問正すと、製作料金の高さの理由

にされた材料費はほんの1000円か2000円ぐらいのもんだ、って言うんで、その矛

盾を問い詰めたんだけど、それにはなんの応えももらえなかったんで、とりあえず

保険で入れてもらい、以後、そこの歯科医に行くことはやめにした。


次に行った歯科医は保険でやるのが当然という風で、保険外の治療は一切勧められ

なかったんだけども、その治療技術に問題を感じたことはなかった。

後で思い出すと、前の問題歯科医では、まだ健康な歯になにか意見をつけて、いき

なり削ろうとしたんで、不安になり、とりあえずやめてもらったことがあったんだ

けど、あれから30年経った現在もその歯になんの支障も生じてないのだ。


あきらかな金持ちには、それを上客と考えて、保険と保険外の治療の違いとそのメ

リットとデメリットを少しオーバーに説明するぐらいならまあしょうがないかもし

れないけども、それでも十分納得できるように公平に説明するのが最低限の医者の

義務であるはずで、それなしで、初めから保険での治療の説明に消極的な医者はと

りあえず商売優先人と見て間違いないので、気をつけよう。




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