●連載
がたやま娘のひとりごと 文はこんのたえこ
地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!
たえちゃん、義父を敬愛してます。
義父の還暦祝い
ココア読者の方々は、還暦を過ぎた方もいらっしゃることでしょう。
昔は赤いチャンチャンコを着てお祝いしたものだけど、今は60歳を過ぎても若い方が多い
ので、チャンチャンコを着てお祝いする方はあまりいらっしゃらないかもしれませんね。
義父は農村の生まれ。五人兄弟の三男で、小さい頃から家の手伝いはもちろん、中学生の
頃から牛乳配達や、鶏を絞めるアルバイト(!)をしていた。食べる物には困らなかった
が、現金収入がなかった農家を支えてきたらしい。そして中学卒業と共に家を出て、地元
の老舗菓子店へ就職し寮に住んで、夜間高校へ通っていた。修学旅行は自分の給料で行っ
たという話を聴いた。今ではそんな話は珍しい。バチ当たりのバカな姪っ子甥っ子に話し
ても、あんまり理解できないらしい。
うちのチャラン&ポランな亡き親父と母ちゃんの生い立ちともまた違う。。。
義父は物静かで、自分から。田舎の実直な人とは義父のことを言うのだろう。若い頃から
今の今までずーっとずーっと働いてきた。
というわけで、うちでも還暦のお祝いをするけれど、チャンチャンコは着ないっていうこ
とにした。それで、義父にヒミツでどうしようかってみんなでいろいろ相談したんだけど、
やっぱりオープンになって、義母の案で温泉一泊旅行になった。
隣の上山市の温泉に行くことに決定。途中、最近有名になった洋菓子屋さんの工場があっ
て、製造過程を自由に見学できるので、義父と一緒に行った。この道何十年の義父だけあ
って、やはり見るところが我々トーシロとは違っていた。喜んでもらえたようで、良かっ
たと思う。
そして旅館について、ひとっ風呂浴びてお夕食。
金屏風の前に座った義父は、定年後も今の会社で軽く働き続けることになった、と発表
したので、私たち夫婦は万歳した。義父は身体が丈夫で、マメに家のいろんなことをや
ってくれるし(車を止めるガレージを造ったり、物置小屋を建てたり、っていうのをひ
とりでコツコツとやり遂げてしまう)、なにしろ今から大切な内孫が生まれるであろう
予定があると思うので(?)お義父さんにはいつまでもいつまでも頑張ってもらって、
まだまだ私たち夫婦のお義父さんとして、面倒を見てもらわなくちゃならないのだ!