8/18のねこさん       文は田島薫

怒り狂うねこさん

今回はお盆をはさんだせいもあってか、ねこさんに全然会わなかったもんで、きの

う偶然テレビで見たねこさん話紹介(オイオイ、ここまできちゃったか〜)。


そのねこさん、飼い主には甘えたりしてるんだけど、外から家へ入って来る人には

だれにでも凶暴に怒って、うなりながらつめ立てたネコパンチをくり出す。

以前すごく可愛がってなついていた娘にも、学生になり家を出て、しばらくぶりで

帰って来たら、檻の中から敵外心いっぱいの顔で暴れた。

なぜそうなちゃったのか、飼い主はねこの言葉がわかる、って女性に頼んで、ねこ

さんに会ってもらった。

その女性が静かに近づいて、檻からちょっと離れたところに座たら、それまでうな

って怒ってたねこさん、静かになった。

そのねこと会話できる女性によると(見てると、ねこさんと彼女、目をあわせたり、

つぶったりしてただけなんで、言葉を交わしていたわけじゃないんだけど、多分彼

女は、研究成果なのか超能力なのかわからないけど、ねこの心理を読み取ることが

できるらしい)、ねこさん捨てねこで、生まれてすぐに自分の家族と離ればなれに

なり、そういったものに飢えていたところ、暖かい人間の家族に拾われ、その一員

として暮らしたことがうれしかったんだけど、ある時、家がてぜまになった、って

人間の都合で、祖父母と別れて新しい家に引越ししたことや、娘が事情で家を出た

ことなどを、自分の幸せな家族を引き裂くのは外からの敵、って怒ったり、自分を

見捨てて出て行ったことを怒ったりしてた、ってことらしい。

それを聞いて泣いてる娘を、ねこさんはじっと見つめていた。で、娘に、まだねこ

さん怖いか聞き、もう怖くない、って言うのを確認してから、ねこ会話女性は、仲

直りの方法を教えた。

怖がる気持があったらだめだけど、ねこさんのこと愛してる、って念じながら、目

をみつめたり、ゆっくりつぶったりして、ゆっくり近づく、って。と、あらら、さ

っきあんなに娘を怒鳴り付けてたねこさん、目ほそめて、身体ほぐして、ころり、

って腹を見せた。

そっと触ってごらん、って言われ、檻の外から少し娘の手が躊躇してたら、中から

ねこさんのつめを立てない手が、触ってくで、って、にゅ〜、って出た。


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