8/11のねこさん       文は田島薫

待ってたうまちゃん

金曜の夕方は翌日の午後の来客にそなえて、ちょっと伸び伸び育ち過ぎた庭の雑草

の床屋さんをやってやることにして、始めたら、玄関の前にとなりのバレエ教室の

うまちゃんがいるのが草越しに見えた。

うまちゃんの方もこっちに気づいたようで、こっち見て、あ、あの人だ、いつも親

し気に声かけたりしてくるんだけど、そんなに気が合いそうもないんで、迷惑なん

だよな〜、って、顔が言ってる。でも、わるい人じゃなさそうだし、すぐに逃げち

ゃうのも気が引けるから、ちょっと時間差にしよう、って顔が言ってる。

お、うまちゃん、よよよよ、って一応声かけてみてから、しばらく草刈り、刈り取

った2束分ぐらいを放り投げて、また玄関の方見ると、立ち去ってるだろう、って

思ってたうまちゃん、まだそこにいて、ど〜しようかな〜、声かけてくれちゃった

し、試しに少し遊んでやってもいいかな〜、って顔が迷ってた。

そ〜か?じゃ、ちょっと遊ぼうか〜?、って2、3歩そっちへ歩き出したら、うまち

ゃん、あ、やっぱり、遊ぶのやめよ〜、って小走りに逃げて行った。


戻る