4/28のしゅちょう             文は田島薫

(自然農法について)

われわれ現代人は知らずに科学技術を偏重し、最新のそれらを使うことがいつも人

々の生活改善になる、って盲目的に信じ込んでしまう傾向があるようだ。

農業についても、健康に対する弊害の意識が広まったせいで、農薬の使用の制限や

無農薬栽培なども徐々に広まっているようだけど、まだまだ、スキさえあれば、生

産効率を口実に従来の農薬、化学肥料を多用した農法を主張する層がメジャーらし

い中、それに疑問を持って、自然農法を始めた高山さんという人がテレビで紹介さ

れていた。

彼は最初、農業の改善発展に貢献できることを期待して、農協に勤めたんだけど、

農協の事業の実態は農薬や農機具の販売から始まり、果ては雑多な一般商品の販売

まで、農家のためにというより、国からの補助金や流通のコネをエサにしたり使っ

たり、とにかくやってることがただの商社で、セールスマンのような仕事をやらさ

れるばっかりだったんで止め、しばらく別な仕事をしてから、自然稲作農法始めた

そうだ。

やり始めは周囲の農家から、そんなのできるわけない、などと言われたんだけど、

除草剤も使わない完全無農薬で、田んぼにも田植えに入っただけで、刈り取りまで

何もしないのに、結果は大豊作で、だれもがそれを目で見ても信じないほどだって。

彼によれば、一番大切なのは土作りで、それをきっちりやると、もうそれだけで、

稲作には十分なんだそうだ。

農協などは、税金やら、中間マージンやらの自分たちの利益追求に励むことが主な

目的になってしまってるために、本当に農家や人々のためになる農業改革をしてこ

なかったんだ、ってことが、たった1人の志を持った農業家によっても証明された、

ってことなわけで、自然の本当の力を信じない人々による農業はそろそろ終末に向

かっているのだ。




戻る