9/10の主張             文は田島薫


(ワーキングプアーについて2)

景気が少し上向いたのか、連日のように求人折り込みなどが沢山目につくし、仕

事を選ばなければ、だれでも就職ができそうで、政治家などもそういった状況を

強調してるけども、国民みんなの暮らし向きがよくなったわけではないのだ。

現実は時給数百円で、なんの保証もないパートタイマーや非正社員の割合が増え

続けているわけで、例えば、時給800円で7時間働き土日を休んだとして、1ヶ月

10万円程度にしかならないわけだから、それで家賃を引いたら、やっと食べるだ

けの金しか残らないわけで、それでも若いうちだけだ、ってことなら我慢もでき

ようが、逆に年をとるほど、そういった仕事にさえ就くことが難しくなる、って

現実があれば、将来に希望を持つことなどできないだろう。

それでも、アパートで暮らせる者はまだいいと言う入居費用などを持ってない者

たちは、ネットカフェなどに寝泊まりしてその日暮しをしてるのだ。

そんな現実を、政治家は個人の自助努力の欠如の問題だ、って言い切って、そん

なぎりぎりの食費で喰いつないでる者たちにも、あまねく、国民年金やら、国民

健康保険やらの請求書や督促状を毎月送りつける。

年収800万円が普通のことだと思ってる役人たちには、なんで、たった2万円ぐら

いの保険料が払えないのか、って糾弾することはできても、払えない人々が実際

に存在するのだ、ってことを想像することさえできないのだ。

なんでも政治のせいにするのは間違いだ、って言う人々も多くいるけども、そん

な人々はけっきょく、偶然でも、努力がうまく報いられた幸運な人々なのだ。

世の中にはせいいっぱい努力してるのに不遇な人々も多くいて、そういう人々は

自分で声を上げなければ絶対に世の中のシステムは変わらない、って言う人々も

多くいるけども、構造的な矛盾を解決するシステムをすみやかに実行するのが政

治家の一番大切な仕事のはずなのだ。




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