10/29のしゅちょう             文は田島薫


(人間関係のワナについて)

防衛省の前事務次官が軍需商社から多額の接待を受け、見返りに取引の便宜を計

った、ってこれは日本中のどこの企業間取引でも行われていそうな話なんで、だ

れでもその立場ならやるだろうな〜、って感想も持ち勝ちなんだけど、役人とい

うことになれば、国民の税金の使途に関わる問題なわけだから、そういったこと

で許してやるわけにはいかないのだ。

金額の大小に関わらずそれは糾弾されるべき行為で、米国のようにきっちり法律

で1000円程度の食事の接待でも受けたら罰を与えるぐらいの法的整備が必要だ。

民間のように倒産などの心配のないことを幸いに、個人的な気軽な接待だから、

って甘く考えてる結果、莫大な金額の取引の裁量も無責任に行われてはとんでも

ないことだ。


一般に日本人は人間関係の和を大事にする民族だとされていて、確かに、あまり

公正だとは思えないような接待なども、最近は減って来たらしいもののずっと行

われて来ていて、それをやってる当人たちに罪悪感がほとんどない、って話をそ

れをやっていた当事者から聞いたことがある。


人間関係は大事だし、取引同士だって気分よく仕事が進み、自己の利益に損傷が

ない、ってことになれば、行為全体で形成する社会的問題点に意識が行かないば

かりか、それに気づいても、良好な人間関係の方を優先する傾向もあるようだ。

目の前の人間との和んだ気分にだまされて、社会的に影響がある不正を働くこと

を無視してないか、きちんとチェックしたいもんだ。


決して不正といわれることはしたことがないって人は希だろうし、どんなことで

も不正を自覚してやってる人もいるだろうけど、それが自分の人生の終わりに、

悔恨にならない保証はないのだ。

不正の金で儲けて高級レストランで友人を接待している自分を想像して誇りを持

てるかどうか、ってこともあるし。




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