10/1のしゅちょう             文は田島薫


(イスラムの公平さについて)

中東での米国政策に加担する傾向にあるわが国の国民として、米国が批判したり、

危険視したりするイスラムについて私はほとんど知らないと思い、イスラムの解

説書を読んでみた。

私がイスラムに対して感じていた、前時代的で不平等な社会じゃないのか、って

先入観について検証してみると、例えば、確かに大金持ちと貧乏人、それがいる

社会だけど、それについては米国も日本も同じで、じゃ、イスラムの方がより不

平等か、って言うと、イスラムの考え方では金持ちの富は唯一の神アッラーから

預かったもので、彼らの所有物ではなく、それは貧者たちを助けるために使わな

ければいけない、って信じられていて、寄付や援助などを恒常的に行われるのだ

けど、それも匿名でやらなければいけないってことになってるらしい(ま、その

ために曖昧にできて金持ちに都合いい部分もあるんだろうけど)。

で、貧者の方もそのように理解しているので、金持ちに施しを請求するのに何も

恥じることもなく、金持ちもそれに自然に答えるのだと。

一方、米国や日本はどうだ、って考えたら、どっちが公平だろう、ってことだ。


また、一夫多妻や女性差別を言われるけど、未亡人になったりして女性がひとり

でいる場合経済的に苦境になることを複数の妻帯も認めることで救うシステムと

いう理由が大きいそうだ。

女性がひとりでいても経済的自立を保証する社会システムをつくればそんなシス

テムはいらない、って言う人も多いだろうが、多妻も公平なシステムのひとつだ

と言われれば、日米で苦境のままほっておかれている女性たちのことを考えたら、

無責任な感情論だけで批判はできないだろう。


目には目を、の喩えについては、仕返しをする場合には、やられた以上のそれを

してはいけない、って意味で、それに、仕返しを放棄することの方が神の祝福を

得られるという補足もあるのだ。

日米で行われてる犯罪やら、他国攻撃のことを考えたら、キリスト教の米国や、

わが国とイスラムとどっちが野蛮な国、ってことになるだろうか。




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