5/28の主張 文は田島薫
(言葉と保身について)
松岡農水相が自殺した。官製談合の緑資源機構との関係も暴露されつつあることも
動機になったんだろうが、光熱(水)費の不正請求疑惑について、法律にのっとって
適切に処理している、とオウムのように繰り返していたことが、だれから見ても無
理な言い訳だろう、って現実との齟齬(そご)が少しづつ気持を蝕んだんだろう。
人はどうも、色々な事情に対応しつつ判断したり妥協したりして進んで行く自分の
行動なり自説なりの正当性を訴えようとしているうちに、無意識のうちに自己保身
に好都合の言葉を見つけ、それにすがって行く傾向があるようだ。
安部首相は松岡農水相の光熱答弁について、法律にのっとって適切に、って、誰が
見ても本気で信じてはいないだろう、って表情で弁護してたし、美しい国へ、って
言葉をたよりに、美しくない国北朝鮮の拉致の糾弾を、って米国に対しても同調を
求めてた一方、日本の犯した拉致とも言うべき従軍慰安婦問題については、明らか
なそういった面を「なるべく見ない」認識を示したり、日中戦争についても侵略と
断言できない、って言って安心している。
昨日のテレビでも、櫻井よし子女史が、その時の世界情勢の中では満州事変が侵略
だとは言えない、って言ったり、安部首相の幼い頃に家庭教師を勤めた、っていう、
平沢勝栄議員は北朝鮮拉致糾弾に励んでるわけだけど、日本の武装推進を支持する
理由として、正常ではない国、北朝鮮、って言い切っていた。
安部首相にしろ、平沢議員にしろ、自国がつい先頃やったことをすっかり忘れるか
自分の都合のいいように正当化し、どの口が正常とか正常じゃない、とか、他国を
糾弾する資格があると思ってるんだろうか。
他国へその国の意志に反して力づくで進軍してそこの国民を勝手放題に従属させた
りすることは、その時の世界情勢がどうのこうのって無関係に、今や侵略だ、って
普通の頭脳を持った人の間では常識なのだ。
その常識も認めないぐらいに言葉で頭がどうにかやられてしまった人間たちによっ
て政治的主張が語られ、憲法9条を無効にされてしまう危険があるのだから、われ
われは自国を美化する甘い言葉には気をつけよう。
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