7/30ののらねこ 文は田島薫
さいたまねこと東京雑巾ねこ
今にも降り出しそうな今朝、傘持ってさいたま市の自宅を出ると、となりのバ
レー教室で飼ってるねこふたりの愛想のいいうめちゃんじゃない方のくろとら
がそこの玄関前にいる気配を通り過ぎてから感じ、戻ってみると、そのとおり
で、こっちを見るとすぐに外階段の後ろの方へ逃げ込んで行った。
今年じゅうにココアスタジオを自宅のあるさいたま市に移す、ってことになる
と、のらねこコラムの材料を、となりのうめちゃんとくろとらに頼らなくては
ならなくなりそうだから、少しづつ取材の準備をしなくちゃ、って私の気持の
どっかにあるらしいんだけど、そうなると、考えてみたら、彼らはちゃんとし
た飼い猫なわけだから、のらねこのコラムタイトルを変えなくちゃならない、
たとえば、コラムタイトルは「きょうのうめちゃんとその仲間」、っちゃって、
中の文は、きょうはうめちゃんも仲間も顔をださなかった、終わり、っていっ
た感じになるんじゃ、どーかな〜。
ねこさんより、小鳥やカラスが多いから、やっぱり「きょうののらどり」って
ことにするか、って言っても、ねこ好き、って言ってるもんで、ねこをはずす
わけにもいかないから、困ってるわけだ。、
そんなことを考えたりして、東京の事務所に出勤すると、ねこさんたちも、私
との別れの予感を感じたのか、だれも顔をださない。
小雨の中、北側の路地へ行ってみてもだれもいず、南側の路地に行ってみると、
先々週、北側の路地の弁当屋の中にいて何か出してもらうのを待っていた雑巾
風の毛並みのねこがただひとり、きょうは南側の弁当屋の前で、何か出しても
らうのを待っていた。
こうやって、なんとなくうら寂しく東京のねこさんたちがフェイドアウトして
って、さいたま市のねこさんの活況にバトンタッチするのかもな〜、って考え
てもみたんだけど、んなわけないんだよな。